日本における「介護度を下げたくない人」の構造分析

日本における「介護度を下げたくない人」の構造分析

日本における「介護度を下げたくない人」の構造分析

1. 要介護者の構成(2023年時点)

介護認定区分人数(約)構成比
要支援1・2約180万人24%
要介護1・2約300万人40%
要介護3〜5約270万人36%
合計約750万人100%

2. 「下げたくない人」の分類と推定割合

タイプ概要割合(推定)
制度的利得を意識支援が減るのを避けて改善を望まない1〜3%
家族の利得在宅負担軽減のため介護度維持を希望5〜7%
本人の安心志向転倒などを恐れて現状維持を望む10〜15%
改善志向層自立を目指し改善を望む約80%

3. 行動経済学的な背景

要因内容関連理論
損失回避バイアス支援減少を“損”として強く認識プロスペクト理論
現状維持バイアス変化への不安が行動抑制につながるステータス・クオ理論
制御感の低下促されることでかえって不安増加自己効力感理論
社会的報酬の損失デイ利用など日常の喪失への不安報酬理論

4. 現場の実感値

ケアマネ・リハ職などによると、「改善できるが本人が望まない」とされるケースは全体の10〜15%ほど存在しているとの報告があります。

5. 下げたくない vs 下げられない

種類説明
下げたくない心理・制度的に現状維持を希望
下げられないADLや社会的要因で改善困難

6. 健幸的アプローチと提案

  • 介護度が下がっても生活支援が維持できる制度設計
  • 「身体OS」や「ラジオ体操達成度」などの自立指標の導入
  • 本人・家族向けに「健幸利得」視点の動機づけアプローチ

7. 参考文献

  • 厚生労働省 介護給付費実態調査(最新版)
    https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/45-1.html
  • 介護予防・日常生活支援総合事業のガイドライン
    https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000168851.html
  • 「介護が必要になる原因」全国調査報告書(国立長寿医療研究センター)
    https://www.ncgg.go.jp/
  • Kahneman, D., & Tversky, A. (1979). Prospect Theory: An Analysis of Decision under Risk. Econometrica.
  • Bandura, A. (1977). Self-efficacy: Toward a unifying theory of behavioral change. Psychological Review.
  • ケアマネジメント実態調査2022(日本介護支援専門員協会)
    https://www.ja-cma.or.jp/
  • 地域包括支援センター年報(各地方自治体の公開情報)

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